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Thomas
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"ピタゴラスが直角三角形の斜辺の長さを計算した1000年以上も前に、メソポタミアの優秀な書記たちは同じ理論を用いて農地の面積を計算していた。 彼らは粘土板にくさび形文字で数学の問題を書いていた。これらの粘土板は、彼らが実用的かつ高度な理論的数学を習得していた証拠であり、古代バビロニア人がいかに優れた数学的才能を有していたかを示している。ユークリッドやピタゴラスが登場する1000年以上前のことだ。 「これは今から約4000年前のことであり、われわれが知る限り、当時これほど高度な計算が行われていた古代文化〔原文ママ〕は存在しない」と語るのは、ニューヨーク大学のアレクサンダー・ジョーンズ教授だ。 古代メソポタミアの都市ニップルでは、多くの書記が訓練を受けていた。ニップルが存在した現在のイラク南部では、19世紀中頃から1920年代にかけて多くの粘土板が発見された。 彼らが主に行っていたのは、農地の面積や堀の幅の計算などだ。ジョーンズ教授によると、これらの計算を行うには米国の第10学年(日本の高校1年)で教わる程度の計算能力が必要だという。 しかし、現在の代数学と異なり、掛け算(×)やイコール(=)などの記号は使用わずに全て文字と数字で記述され、さらに「x」や「y」といった数学記号も使われなかったため、歴史学者や考古学者が粘土板に書かれている内容を理解するのに数年を要した。 1920年代にオーストリアの若き数学者オットー・ノイゲバウアー氏がその数学的体系を解読したが、バビロニア期の数学への関心が高まったのはごく最近のことだ。 これらの粘土板はメソポタミアの生活の興味深い記録でもある。粘土板に書かれた問題は、古代バビロニア人の日常的ニーズに基づいている。また一部の粘土板には、書記たちがジョーンズ氏の言う「娯楽的数学」、すなわち数学のための数学に取り組んでいた様子がうかがえる。 「この種の取り組みを体得する際の要点は、頭の体操、つまり自分がどれだけ優秀かを示す手段として行うことだ」(ジョーンズ氏) このまま古代史の研究が進めば、いずれ「ピタゴラスの定理」の呼び名が変わるかもしれない。 http://www.cnn.co.jp/fringe/30001271.html"