私は食べることが好きなので、料理そのものは苦にならない。でも、料理のために行動が制限されるというのは大いに苦になるのだ。
一方で、私は勿論(もちろん)夫と食べるごはんが大好きだ。我が家小さなダイニングテーブルで食べる日々のごはんだけじゃなく、競技場でサッカーをみながらほうばるおむすびも、公園で食べるサンドイッチも、夜遊びのあとで啜る(すする)立ち食いそばも。
実際、私たちはかなりしばしば外食する。二人ともくいしんぼうであるせいと、私が良妻ではないせいだ。よく日のあたる近所の香港(ほんこん)料理屋さんとか、私の脂身(あぶらみ)様いをなおしてしまったとんかっ屋さんとか、土の匂いのワイルドなマッシュルームサラダが食べられる、青いひさしのテラスレストランとか。
気に入ったものは、ときどき真似(まね)をしてつくってみる。 おいしくできるととても嬉しい。