(This article was in kids newspaper 「なぜ?」 something about kayui skin ;D
◇ヒスタミンと神経(しんけい)ペプチドで増幅(ぞうふく)
東京医科大学皮膚科学講座(とうきょういかだいがくひふかがくこうざ)の大久保(おおくぼ)ゆかり准教授(じゅんきょうじゅ)によると、かゆみが起(お)きる詳(くわ)しいメカニズムはまだ分(わ)かっていないそうです。でも、大(おお)きなカギを握(にぎ)るのが、皮膚(ひふ)の肥満細胞(ひまんさいぼう)と呼(よ)ばれる細胞(さいぼう)から分泌(ぶんぴつ)されるかゆみ物質(ぶっしつ)「ヒスタミン」の存在(そんざい)です。
ヒスタミンは痛(いた)みやかゆみを感(かん)じる「知覚神経(ちかくしんけい)」に作用(さよう)し、その刺激(しげき)が「かゆみ」として脳(のう)に伝(つた)えられます。同時(どうじ)に、その刺激(しげき)によって神経(しんけい)ペプチドと呼(よ)ばれる神経伝達物質(しんけいでんたつぶっしつ)が出(で)て、この神経(しんけい)ペプチドがまた、肥満細胞(ひまんさいぼう)を刺激(しげき)し、ヒスタミンが分泌(ぶんぴつ)されます。
つまり、かくと知覚神経(ちかくしんけい)が刺激(しげき)され、神経(しんけい)ペプチドが出(で)てヒスタミンの分泌(ぶんぴつ)を促(うなが)し、ヒスタミンがまた知覚神経(ちかくしんけい)に作用(さよう)する、という悪循環(あくじゅんかん)が起(お)こるのです。こうして、どんどんかゆみは広(ひろ)がっていくんですね。
◇日常的(にちじょうてき)に全身(ぜんしん)の保湿(ほしつ)を
かゆみの原因(げんいん)の一(ひと)つには、皮膚(ひふ)の乾燥(かんそう)(ドライスキン)も考(かんが)えられます。正常(せいじょう)な皮膚(ひふ)の表皮(ひょうひ)は、水分(すいぶん)と油分(あぶらぶん)(皮膚(ひふ)に含(ふく)まれる脂質(ししつ))によって外(そと)から菌(きん)などの異物(いぶつ)が侵入(しんにゅう)するのを防(ふせ)ぐバリア機能(きのう)があります。
しかし、皮膚(ひふ)が乾燥(かんそう)すると、皮膚(ひふ)の表面(ひょうめん)から水分(すいぶん)や油分(ゆぶん)が失(うしな)われ、外(そと)からの刺激(しげき)に無防備(むぼうび)になります。そこで、ちょっとした刺激(しげき)にも敏感(びんかん)に反応(はんのう)してしまい、かゆくなるのです。無意識(むいしき)にかいていると、バリア機能(きのう)はさらに壊(こわ)され、ここでもまた「かゆみの悪循環(あくじゅんかん)」が起(お)きます。