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日本初の独自の本草書『大和本草』(1709年)には、絵と共に蛾に似ているなどという記述がある。本草学者である小野蘭山の『本草綱目啓蒙』(1806年)によると、江戸時代の関東地方ではカブトムシのことを「さいかち」と呼んでいたことが記されている。この由来についてはサイカチの樹液に集まると考えられていたという説、カブトムシの角がサイカチの枝に生えた小枝の変形した枝分かれした刺に似ているからだとする説がある。また、『千虫譜』(1811年)には、カブトムシは独角僊と紹介され、子供がカブトムシに小車を引かせて遊んでいると書かれている。
カブトムシは、日本ではその独特な姿形を「格好いいもの」と考える人が多く存在し、特に小学生程度の年齢の子供に人気がある。カブトムシの成虫が現れる7-9月は小中学校が夏休みにあたるため、この時期の深夜から早朝にかけて、山林に生息するカブトムシを捕まえにいくことが子供たちの夏期の楽しみの一つになっている。子供たちは捕まえたカブトムシを、しばしば上記した飼育方法によって飼育する。また観察日記を夏休みの自由研究として記録する子供も多い。