東京港から横浜港を中心に発展した、国内最大の京浜工業地帯。 金属や機械、化学などの工場が建ち並び、複雑に張りめぐらされたパイプ、立ち上る煙や蒸気、夜の闇を照らす照明など、SF映画のような光景が広がる。 2008年6月、横浜港周辺の工業地帯をクルーザーでめぐる「工場夜景ジャングルクルーズ」(料金4,500円)が運航を開始した。
出航するのは、赤レンガ倉庫近くの桟橋。1時間半かけてまわるこのクルーズは大好評で、いつも数ヵ月先まで予約はいっぱいだ。 30人乗りの木製クルーザー「おおとり」のデッキでは、船長と機関長が見どころの多い17ヵ所の工場のほか、市内の名所なども交えて解説する。 大人向けの夜間ツアーとあって、オリジナルカクテルもふるまわれる。
ツアーは株式会社ケーエムシーコーポレーションが運営している。 定期便やチャーター便などの旅客船事業と、個人用の船の保管などを行うマリーナ事業を手がける会社だ。 同社の統括部長、岩田秀で夫さんは「夜景評論家として有名な丸々もとおさんからの提案とプロデュースで実現しました。 コース選びやガイドの指導など、準備に時間をかけました」と説明する。