日本一高い山を都内で制覇!?
「1番じゃなきゃダメですか?」とは記憶に新しい某議員の言葉ですが、やっぱり1番というのは気持ちいい! 日本一高い山「富士山」も「登ってみたい山」として大人気です。近年特に過熱気味のようで、なかなか前に進めない登山渋滞まで起きている様子。どうやら背後には、厄よけや家内安全、良縁、安産などなど、富士山のご利益を期待する「パワースポット人気」がチラチラ見え隠れしています。かく言う筆者も、かねてより「登ってみたいなぁ」なんて思っておりまして。でも、時間も体力もなかなか確保できないわけで…。
そんな人のために、見つけましたよ! わざわざ富士山まで出向かずとも、そのパワーを頂戴できるありがた~いスポット「富士塚」を!
なかでも、都内に現存する最古の富士塚「千駄ヶ谷富士」がある鳩森八幡神社宮司・平野俊二さんによれば、「富士塚は、富士山を模して人工的に造られた山や塚のこと」だそう。富士山を信仰する“富士講”が盛んになった江戸時代ごろから造られはじめ、関東を中心に数多くの富士塚が誕生したみたいです。
千駄ヶ谷富士は、高さ約6mの塚。小さいながらも、一部にはちゃんと、富士山から運び出した「黒ぼく(富士山の溶岩)」を使ってご利益確保。7合目あたりには洞窟、山腹にはクマザサ、頂上には浅間神社の奥宮を安置するなど、富士山をできる限り忠実に再現するように造られているんです!
「日本の文化の一つに、“見立て”というものがあります。立派な松の木に見立てた盆栽や、自然をそのまま庭に持ちこんだ日本庭園などが代表的な例ですが、富士塚もその一つです。見立てたものを信仰の対象にするということで、とても柔軟な考え方ではないでしょうか。当社は八幡様をお祀りする神社ですが、境内には浅間様をお祀りする富士塚もあれば、お稲荷様もお祀りしています。いろいろな神様を仲良くお祀りするというのも、いざこざを最小限にして平穏を願うという、日本人の精神のようなものを感じますね」(平野さん)
富士塚って神聖なだけでなく、ある意味、とってもクリエイティブな存在なのかも。パワーをもらいつつ、日本の良さみたいなものも、ぼんやり感じちゃいました。