関西弁にも気をつけてください。よろしくお願いします~
以前、在日韓国人(か朝鮮人か知らない、聞いてもない)の知り合いがいた。
こてこての大阪弁で、明るくて面白くて人気者だった。
私は一回約束をすっぽかされてちょっと苦手になったが、
別に在日だからどうの、とかは全くなかった。
たまに意地悪な人が 差別的な発言
(というより「差別されてる?」的質問だったような)をしてても、
何いうてんのこの人、って思っていた。
でもこの本を読んで気づいたのだが、なんか私はこんな風に思っていたような気がする。
「在日韓国人やのに、こってこての大阪弁やなあ」
今思えば、「やのに」が既におかしいんやね。大阪で生まれ育ってんだから、
こてこての大阪弁に決まっている。
この本を読んで「在日」という表現が既に差別であることにも気がついた。
無自覚な私。この本を読んで、私は恥ずかしかった。無自覚は罪だ。
「在日」、である主人公はずっと闘っている。とんがっている。
でも、明確な「国」の意識をもって闘っている彼はカッコイイ。
誰か、日本人の友達が吐く台詞で「俺は日本人でぬくぬくと育ってるから
お前にはかなわない」みたいな台詞があって、彼にしてみれば
「何言うてんねんお前ら」な気分やと思うが、私にはその気持ちがわかる。
何も知らずに生きてきた自分が恥ずかしい。
突然現れた魅力的な女の子が、彼が在日とわかったとたんに
ステレオタイプな反応をしたのには本気でがっかりしたけど、
自分がそうだったらどうだったろう、って考えてみたりした。
・・・全く実感がない。無自覚って、やっぱり性質が悪い。
そんな「無自覚」な差別、明確な差別を彼らは戦い抜いていく。
オヤジさんがまたいいのよ。くそオヤジでさ。
反抗して警察にしょっぴかれそうになった彼を
警察署でぼっこぼこに殴って「お父さんもうわかりましたから止めて下さい」と
警官に言わしめて「俺のおかげで釈放や」とよれよれの息子に言う。
最強や。そのオヤジさんが、彼に「人生を闘うこと」を教えた。
彼は誰にも負けないけど、オヤジさんにはかなわない。
彼の滑稽な家族には大笑いしながら、いいなあと思った。
文体はむしろ今っぽいスピード感で軽くぐいぐい読めるが、
重い本やったと私は思う。