大人になってから学習した外国語に就いては,厳密な意味ではこの能力は付きません。でもほぼそれに等しい能力は身につきます。
予め暗記しておいた文しか話せないのであれば、ほぼ生成能力に等しい能力など付く訳がないと思われるかもしれませんが、そうではありません。
最初のうちは、自分が今書いたり話したりしているこのセンテンスはあそこに出てきた文章だと意識できる状態でしょう。でも、暗記された文の量がどんどん増えてくると、自分が今しゃべっている文がどこに出ていた文だか意識できなくなってくるでしょう。
でも、その時点でも、落ち着いて分析してみると、「あー、この文章はあそこで覚えたこの言い回しと、ここで覚えたこの言い回しとをつなげて、中の単語をこれと入れ替えたものだ」などと分析することができます。
そしてさらに暗記した内容が増えてくると、このような分析も全くできなくなります。その状態が「ほぼ生成能力に等しい能力」が付いた状態なのです。これをさらに続けてゆけば、ネイティブを凌駕する表現能力をつけることも夢ではありません。