今年5月に、木星の表面に見られる2本の縞模様(北赤道縞と南赤道縞)のうち、南赤道縞が完全に消失した。
南赤道縞はこれまでにも3年から15年の周期で何度も消えたことがあり、毎回、南赤道縞撹乱とよばれる活動が起きて復活する。南赤道縞撹乱とは、南赤道全体が淡化して明るい状態のときに急激に南赤道が濃化する現象である。撹乱の前兆として小さな白斑が発生し、その後、白斑のすぐ近くに暗い筋状の暗柱が連続発生して、半年ぐらいで全周を取り巻くようになり、暗い南赤道縞が復活することが観測からわかっている。
今月9日、南赤道縞の復活の兆しとなる白斑を、フィリピンのクリストファー・ゴーさんが発見した。その速報を受けて日本をはじめ各国の観測者が次々と白斑を確認した。
続く12日には、ほぼ同時に多くの観測者が、白斑の隣にはっきりと暗柱が発生しているようすを撮影・確認した(画像参照)。
横浜市の三品利郎さんは、東亜天文学会(OAA)のメッセージボードへの投稿の中で、今後は暗柱の上下端から暗斑と白斑の連鎖が伸び、1か月ほどで木星の周囲4分の1くらいまで南赤道縞が復活するだろうと予測を述べている。
また、三品さんは同メッセージボードへ、南赤道の復活に関わる白斑と暗柱が木星面の中央になる日時を記している(時刻は日本時間)。今後復活していく南赤道縞のようすを観測してみてはいかがだろうか。
http://www.astroarts.co.jp/news/2010/11/17jupiter-seb/index-j.shtml