私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う。どこのでも、どんなのでも、それが台所であれば食事をつくる場所であれば私はつらくない。できれば機能的でよく使いこんであるといいと思う。乾いた清潔なふきんが何枚もあって白いタイルがぴかぴか輝く。
ものすごく汚い台 所だって、たまらなく好きだ。 床に野菜くずが散らかっていて、スリッパの裏が真っ黒になるくらい汚い そこは、異様に広いといい。ひと冬軽く越せるような食料が並ぶ巨大な冷蔵 庫がそび立ち、その銀の扉に私はもたれかかる。油が飛び散ったガス台や、 さびのついた包丁からふと目を上げると、窓の外には淋しく星が光る。 私と台所が残る。自分しかいないと思っているよりは、ほんの少しましな 思想だと思う。 本当に疲れ果てた時、私はよくうっとりと思う。いつか死ぬ時がきたら、 台所で息絶えたい。ひとり寒いところでも、誰かがいてあたたかいところで も、私はおびえずにちゃんと見つめたい。台所なら、いいなと思う。
NurikoSpecialさん、こんばんは^_^Lang-8のゆきのです♪この間は私のリクエストした文章を読んでくださってありがとうございました。今日は吉本ばななの『キッチン』を読みます。同じ本を持っているので本の方を見て読みます。聞いてください。