睡眠時無呼吸症候群にはいくつか種類があるが、9割は睡眠中の筋弛緩により舌根などが下がって気道がふさがる閉塞(へいそく)性のもの。じゅくすい君は患者に直接刺激を与えて寝返りを促し、あおむけから横向きに姿勢を変えることで気道の確保をサポートする。通常の治療法では、鼻から圧縮された空気を送る専用のマスクを装着するが、装着による不快感が強く睡眠時に無意識に外してしまうこともあるという。
現在、日本の睡眠時無呼吸症候群の患者数は約200万人。患者は睡眠不足により日中に強い眠気に襲われたり、合併症として高血圧や心筋梗塞(こうそく)などが起きることもある。同症候群が原因の居眠り運転による自動車事故や鉄道事故も発生している。
じゅくすい君の開発が始まったのは1年ほど前で、メンバーの家族に睡眠時無呼吸症候群の患者がいたことがきっかけ。まだ実際に患者に使用してもらう段階ではないが、今後は患者が自分のいびき音を聞いて自発的に寝返りを打つようになる学習型プログラムの開発も検討しているという。