山の中のきつねのすで、きつねの子がないていました。
「こーん こん、おなかがすいた。」
すると、親ぎつねが言いました。
「まっておいで、今 お母さんがおいしいものをとってきてあげる。」
子ぎつねはなくのをやめて、おとなしくまっていました。 一時間まちました。二時間まちました。まだ帰りません。三時間まちました。それでも帰ってきませんでした。 子ぎつねはとうとうなきだしました。
「またおなかがすいてきたあ。」
親ぎつねはどうしたのでしょう。じつはその時、村へ行ってぶどうを一ふさとってこよううといっしょうけんめいかけていました。
一つ山をこしました。二つ山をこしました。三つ山をこした時、やっとぶどうの村へつきました。
「おなかがすいて子どもがないているのです。すみませんが、ぶどうを一ふさいただきます。」
親ぎつねはそう言って、ぶどうの木にとび上がり、大きなふさをとりました。それをくわえて、大きいそぎで山の方へもどりました。