日本ではお茶といえば、「緑茶」をイメージする人が多いようだ。緑茶は日本人にとって欠くことができないものであり、昔から食事の後でお茶を入れて飲んできた。
しかしなら、時代とともに日本人のライフスタイルが変わりはじめた。社会の変化にともない、人々も忙しくなり、次第に家でお茶を入れて飲む習慣も減ってきた。
コンビニエンスストアやファーストフード店も増え、和食よりもハンバーガーやスパゲッティといった手軽で便利な洋食を選ぶ人が増加し、その結果、食生活の変化から肥満や生活習慣病の問題が生じはじめた。
1985年に、ある会社が世界で初めて缶入りのお茶を発売した。しかし、当時お茶は家でいれて飲むものだと考えられていたため、はじめは売れなかった。そのころ、お茶には病気の予防や殺菌効果があることが分かり、お茶の良さが再認識されるようになってきた。その後、2000年頃にペットボトルのお茶が普及し、お茶は手軽であると同時に健康的な飲み物だと考えられるようになった。お茶は家でいれて飲むものから商品として買う飲み物へ変わったのである。
現在、緑茶は飲み物としてだけではなく、その効能を生かし、薬や化粧品などにも利用されている。おる調査によると、お茶を多く飲む所では他の都道府県より「がん」が少ないそうだ。また、お茶入りの肌にいい石鹸や、部屋の嫌なにおいをとってくれる消臭剤もある。このように緑茶を生かした商品が次々と生まれている。
今や緑茶市場は1兆円とも言われているそうだ。
私たちのライフスタイルの変化とともに緑茶も変化しつづけている。これからも私たちの生活を豊かにしてくれるのではないだろうか。