Psst...

Do you want to get language learning tips and resources every week or two? Join our mailing list to receive new ways to improve your language learning in your inbox!

Join the list

Japanese Audio Request

sabazou
721 Characters / 1 Recordings / 1 Comments
Note to recorder:

普通の喋り方と速さお願いします。

あ、つながっている、と気づいたのは、十二歳のころだ。夢のことである。

わたしは子どものころから今に至るまで、夢を見ない日はない。夢には色もにおいも肌触りの感覚もある。現実のなんら変わらない。そのさまざまな夢のなかで、ひとつだけ、連続ものの夢がある。最初は、連続ものであるとは気づかなかった。十二歳の夏の日に、はっと知ったのだ。昼寝から目覚めた暗い和室で。

その夢の、第一話目、というか、もともとの発端がいつなのかは、正確にはわからない。覚えているうちのいちばんはじめは、たぶん四歳のころだ。どんぐり幼稚園のももぐみにいたころ。

わたしの知らない場所を、男が歩いている。男はウェスタン帽を深くかぶっていて、顔はよく見えない。でも、そんなに若くないことはわかる。男が歩いているのがどこだかわからないが、わたしんちの近所でないことはわかる。土埃、赤茶けた道、乾燥した針金みたいな植物、黄色い太陽、腹を見せて眠る犬、もしくは犬にとてもよく似た動物。男は延々歩いている。そのしっかりした足取りで、彼には目的地があり、そこに向かっていることがわかる。

ももぐみ所属のわたしが見た夢は、これだけだった。覚えているのは、ほかの夢とちがって、何もなかったからだ。起伏が。展開が。意味が。

ももぐみからゆりぐみにあがって、また、見た。ウェスタン帽をかぶった男が、見知らぬところを歩いている。男の背景が、前より少しにぎやかになった。店がある。わたしの知っている店のようではないけれど、店だとわかる。色鮮やかな果物や、織物が、つり下がったり並んだりしているから。ちいさくて、縁日の露店みたいな店ばかり。男はそれらに目もくれず歩き、そうして、人の列に並ぶ。

Recordings

  • 男(こどもころにみた夢という本より) ( recorded by ryujiro ), native Japanese

    Download Unlock

Comments

sabazou
June 6, 2015

録音を投稿していただいて、ありがとうございました!

Overview

You can use our built-in RhinoRecorder to record from within your browser, or you may also use the form to upload an audio file for this Audio Request.

Don't have audio recording software? We recommend Audacity. It's free and easy to use.

Sponsored Links