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ことしのノーベル賞の授賞式が日本時間の11日未明に行われ、物理学賞に選ばれた梶田隆章さんと医学・生理学賞に選ばれた大村智さんに、スウェーデン国王からメダルと賞状が贈られました。
ことしのノーベル賞は、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんに物理学賞が、また北里大学特別栄誉教授の大村智さんに医学・生理学賞が贈られました。
授賞式は、スウェーデンの首都ストックホルムのコンサートホールで日本時間の11日午前0時半から始まり、梶田さんは、共同受賞者のカナダ、クイーンズ大学のアーサー・マクドナルド名誉教授と共に、各賞の受賞者の中で最初に入場しました。
式では、物理学賞の選考委員が「素粒子のニュートリノは姿を変えるのか。ニュートリノのこの謎は巨大な観測施設によって解決された」と梶田さんたちの研究成果を紹介しました。そして、ファンファーレが鳴り響くなか、梶田さんはスウェーデンのグスタフ国王から記念のメダルと賞状を笑顔で受け取り、家族のいる観客席に会釈しました。
また大村さんは、アメリカ・ドリュー大学のウイリアム・キャンベル氏、中国の研究機関に所属する屠※ユウユウ氏と共に入場しました。
医学・生理学賞の選考委員は、大村さんの功績について「自然からの恵みにより発見した薬で、長い間苦しんできた貧しい人たちを助けることとなった」とたたえました。そして、大村さんは国王と短くことばを交わしながら、メダルと賞状を受け取りました。
梶田さんは授賞式を終えると、ほっとした表情を浮かべながら会場から出てきました。授賞式について「よかったです。楽しかったです」と感想を述べ、記者団から「お疲れ様です」と声をかけられると、笑顔で「ありがとう」と答えていました。
また、大村さんも授賞式のあと、感想を求められると「楽しかったです。緊張しました」と話していました。
会場の出口には、日本から駆けつけた大村さんの知人が日の丸の旗を手に待っていて、大村さんは知人の姿を見つけると、一瞬びっくりした表情を見せたあと、うれしそうに手を振っていました。大村さんを祝福するために徳島から来たというこの女性は「このためだけに来たので、会えて満足です。本当にすばらしい方です」と興奮気味に話していました。