ある夜、用があって高級スーパーに行った。品揃えの多さについつい買い込んでしまい、大荷物を抱えて併設の花屋に行った。
店員さんは一人しかいなくて、前の中年女性はものすごく複雑なことを頼んでいた。いちばん高い胡蝶蘭をプレゼント用に包装し、かつ高級仏花を別のところに、しかるべき包装をして配達してほしい、という感じのこと。全身から金持ち光線と金持ちを優先しろ光線をびんびん出していた。
私は「たったこれだけです!」というのをアピールするために、チューリップ十本二千ん円というのをすでに手に持ち、風呂場置く予定の蘭の小さな鉢も抱え、先にやってくれないかなー、というムードを出して待ってみたが、私の前の人が私の同じ作戦で優先されてしまい、店員さんはこれ以上はもうだめ、胡蝶蘭を包むことに専念します、という体勢に入ってしまった。