Luigi di Ghisalloという雅号を使ってオランダの作曲家のキース・フラクは我々を遠く離れた昔の日本へ導きます。
横浜湾が濃い霧で包まれています。早い朝の日差しを浴びて大きい汽船が港に入船します。貨物をてきぱきと揚陸するために即座に作業員が方々から駆け付けて来ます。
最初の日本独特の物音が木管楽器の方から聞こえます。
その場面はきりきりと立ち働くことで特徴づけられています。この港は3000万人を支えます。慌ただしさから離れて浅草寺へぶらぶら歩きましょう。
観音菩薩を祭っている当寺は環境を静めるため首都の中央で建てられました。観音様の恵みを込めて穏やかな曲はその所で響き続けています。
お寺では祭があり、芸者が登場します。立派な着物を着て茶道を行います。西洋人が現れて美人な芸術家に懸想します。笛と琴の音に合わせて芸者は典雅に踊ります。
それから我々の旅は浅草地区と吉原遊廓に立ち寄ってついに賑やかな日常生活の町に戻ります。
最後に日の暮れに私達の旅ばかりでなく鎌倉市の阿弥陀仏で終幕となって、西洋人と綺麗な芸者との恋愛もgrandiosoに遠ざかります。