This is just a passage from one of my textbooks. Please read it at natural speed. Thank you!
宗教心
新聞に、仏教の若い僧侶がキリスト教の教会で結婚式を挙げるという記事が出ていた。花嫁の希望でそうなったようだが、仏の教えを説く人がキリストの前で愛を誓うというので、ニュースになった。が、もし花婿が僧侶でなかったら、話題にもならなかったであろう。日本では、一般に、宗教に関わりなく、結婚式の形式を自由に選ぶ。ある人は神道のやり方で式を挙げ、ある人は仏式で式を行い、そしてある人はキリスト教の神の前で結婚式をする。神の前ではなく、式に出席した人々の前で将来を誓い合うカップルもいる。結婚式はキリスト教の教会で挙げ、子供が生まれたら神社にお参り、葬式は仏教で行うということに対して、ほとんどの日本人は矛盾を感じていない。各宗教の信者の数を合計すると総人口のおよそ二倍になるという統計も出ている。
日本人はどんなときにどんな神に祈っているのだろうか。例えば、正月の一日から三日にかけて国民の三分の二が神社や寺に初詣に行く。祈るときには、建物の前に置いてある賽銭箱にお金を入れる。一年の幸せと健康を祈り、それを守ってくれる「お守り」を買って、大切にする。お守りは、紙や木、布などでできていて、四角いものから矢や動物の形をしたものまである。大きいお守りは家の中に飾り、小さいものは鞄や財布の中に入れて持ち歩く。また、入学試験の前には、ふだん神社や寺に行かない人までお参りに行って合格を祈り、お守りを買ってくる。自動車の中には交通安全のお守りが必ずと言っていいほど下げてある。店を開くときには、商売の幸運を願って、お札や置物を飾る。このほかにも、火の神や土地の神など、時と場合によってさまざまな神や仏に祈って守ってもらう。そして、十二月のクリスマスには家族や友人とプレゼントを交換して楽しいひと時を持つという習慣もすっかり定着している。
「あなたの習慣は何ですか」と書かれると、たいての日本人は返事に困る。「特にありません」とか「関心がないので。。。」といった答えも多いが、決して神の存在を否定しているわけではない。特定の宗教の考えを信じるのではなく、漠然と自然や祖先を崇拝し、人間を超えた大きな力が守ってくれるのを信じているのである。このような宗教心をもって、神道も仏教もキリスト教も、生活習慣や行事の中に、ごく自然に取り入れていると言えるだろう。
How true. :)