高低アクセントによって語の意味を区別する言語の代表例は日本語である。日本語では語内の音の高低(ピッチ)の位置的な違いによって語の意味が区別されている。
共通語のアクセント
共通語とは、以前標準語と呼ばれていたものにほぼ等しい。 共通語のアクセントは理念的には東京方言そのものとは考えられていないが、実際にはごく少数の例外を除いてほぼ東京山の手言葉のアクセントそのものと言ってよい。
共通語のアクセントでは、頭高型、中高型、尾高型、平板型の4種類のパターンが存在する。この内、平板型以外のアクセントを起伏型とも呼ぶ。
頭高型(あたまだかがた):最初の音節が高く、それ以降の音節が低い場合。例:「カラス」(\_)
中高型(なかだかがた):最初の音節は低く、次以降の音節が高くなり、単語の終わりまでにまた低くなる場合。例:「タマゴ」(/\)
尾高型(おだかがた):最初の音節は低く、それ以降の音節は高いが、後に続く助詞が低くなる場合。例:「オトコ(が)」(/ ̄(\))
平板型(へいばんがた):最初の音節が低く、助詞も含めそれ以降の音節が高くなる場合。例:「オトナ(が)」(/ ̄( ̄))
日本語の音節が2種類のピッチしか持たないわけではない。しかし、実際には語の途中でピッチが有意的に下がるか下がらないかという二項対立的要素のみが弁別的特徴を担う。音韻論的には二段階以上を考える必要は無い。
共通語のアクセントでは語頭の音節と次の音節は必ずピッチが異なる。