コルクは本来はコルクガシの樹皮である。採集する際に形成層などの生きた組織を痛めないように、樹皮のみをはいで製造する。コルクガシを植樹後、数年を経た段階で、第1回の剥ぎ取りを行う。このときに得られた樹皮(バージンコルク)は表面が亀裂や凹凸に富み、加工製品の素材としては適さない。そのため、洋ランのような熱帯性の着生植物を着生状態で栽培するときの植え付け材として利用される。その後は数年ごとに再度厚く成長した樹皮を剥ぎ取っていく。この2回目以降に得られた樹皮は表面が平滑な均質性の高い材質であるので、打ち抜いてワインなどの瓶の栓を製造する。剥ぎ取られた樹皮はまず高温蒸気処理を受ける。これによって樹皮は弾力を増やし、丸みがとれて平らになり、打ち抜きやすくなる。打ち抜かれて残った樹皮は粉砕された後に接着剤と共に圧縮され、圧搾コルクとして利用される。
主な生産地はポルトガルであり、全世界の生産量の約52%を占める。ほかに、スペイン(29.5%)、イタリア(5.5%)、アルジェリア(5.5%)、モロッコ(3.7%)、チュニジア(2.5%)、フランス(1.1%)などで生産される。世界のコルク林面積は約228万ヘクタール。その内訳はポルトガル(32.4%)、スペイン(22.2%)、アルジェリア(18.2%)、モロッコ(15.2%)、フランス(4%)、チュニジア(4%)、イタリア(4%)である。