Natural speed with clear diction please
東日本大震災:少年団のバレーボール 北海道から戻る
東日本大震災の津波被害を受けた岩手県大船渡市の「越喜来(おきらい)バレーボールスポーツ少年団」のバレーボールが約2カ月後、約500キロ離れた北海道南東部の浦幌町に流れ着いた。激励を添えて発見者が送ってくれ、思わぬ再会に子どもたちは「奇跡だ」と大喜び。お礼の手紙を送り、善意をかみしめている。【馬場直子】
越喜来スポ少は、市立越喜来・崎浜・甫嶺(ほれい)の3小学校の女子児童計8人が所属する。8人とも無事だったが、練習拠点の越喜来小は津波で全壊、ボールなど用具はほとんど流された。
「越喜来」や「大船渡」と書かれたそのボールが、浦幌町の海岸に流れ着いたのは5月下旬。同町のトラック運転手、山田信博さん(57)が見つけ、長女かおりさん(27)がインターネットで調べ同スポ少の物と分かった。
「たくさんの人の思い出が詰まっているはず。被害に遭った子どもたちが少しでも元気になれば」と、かおりさん。激励の手紙を書き、職場仲間の寄せ書きも添えて、越喜来小にあてて送り出した。
ボールは甫嶺小に転送され、同小で学んでいる越喜来小6年で主将の道下麗(うらら)さん(12)らスポ少メンバーの手元に6月下旬に帰ってきた。既に甫嶺小で練習を再開している道下さんは「傷もなく何も変わっていなかった。奇跡だと思う。みんなびっくりして喜んでいて、練習にも力が入ります」と笑顔を見せた。