「津田梅子」
1868年明治維新になり、それ以後日本の近代化が急速に進められていったが、女性の地位は昔と同じように男性よりずっと低かった。欧米を旅行し、いろいろ見聞きして来た明治政府の指導者の一人は、アメリカの女性には教養があり、その社会的地位も高いのに驚き、次のように考えた。
「立派な人間を育てるのには、家庭にいて子供の教育をする母親に教養がなければならぬ。教養のある母親をつくるためには女子教育をさかんにせねばならぬ。そのためには、女性を外国に留学させるべきだ」
彼の述べた意見にもとづいて、政府は早速女性を何人か外国に留学させることにした。1871年、5人の若い女性がアメリカに送られた。その中に、7才になったばかりの津田梅子という女の子がいた。彼女はワシントン郊外のジョージタウンに行き、そこでアメリカの自由な教育を受けることになった。
相変わらず、日本の女性の地位は欧米と比べてずっと低いです。社会政策の不備もありますが、女性の中に低い意識しか持たない人が多いせいでもあります。