そのキツネは茶色だった。
そのキツネはすばしっこかった。
その犬は茶色だった。
その犬はなまけものだった。
「きみはなまけものの犬だね」とそのキツネは言った。
「そうだよ。私はなまけものの犬なんだ。」とその犬が答えた。
「なぜなまけものなの?」とキツネが尋ねた。
「なまけものじゃダメかい?」と犬が答えた。
「私のご主人様は私にエサをくれる。ご主人様は私を愛してくださる。私は、食べて、散歩にでかけ、そしてねる。私は、なまけものだが幸せものだ。」
「でも君には大きな目的はないの?」とキツネが聞いた。
「大きな目的?何の目的?私は犬にすぎない。」と犬は言った。
「名犬ラッシーは犬だったけど、多くの人の命を救ったぜ。」とキツネが言った。
「人の命を救うなんてなまけものの私にはできないよ。」と犬は答えた。
「ラッシーに助けてもらえばいいのさ。」