そのネコはじっとしていた。
芝生の上で寝ていた。
白黒のぶちだった。
可愛い白黒のぶちだった。
表は寒かった。
ネコは腹這いに寝ていた。
表は真っ暗だった。
玄関の明かりが猫を照らしていた。
ネコはシシーを見た。
彼女は「ママ、この猫飼っていい?」と母に尋ねた。
お母さんが玄関に出てきた。
お母さんは猫を見た。
「可愛い猫ね」とお母さんは言った。
「飼っていい?」シシーは尋ねた。
お母さんはだめよと言った。
他の家の猫かもしれないし、
野良猫かもしれない。
野良猫だったら、シシーにかみつくかもしれない。