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Japanese Audio Request

Lais
2431 Characters / 1 Recordings / 0 Comments

むかし ある ところ に、 とても こころ の やさしい
おじいさん と、 おばあさん が いました。
ある 日 の こと です。
「ばあさん や、 ちょっくら 山 へ いって、
しば を かって くる よ。」
おじいさん は そう いって、 いえ の
うら に ある 山 へ、 でかけて
いきました。
おじいさん が しば を かって いる と、
「デンガショツ、 デンガショツ。」
むこう の 林(はやし) の なか から、 おかしな
こえ が きこえて きました。
「はて? なん じゃろう。 みょうな
こえ じゃ な。」
おじいさん は ふしぎに おもい ながら、
そっと しげみ を わけて、 林 の なか へ
はいって いきました。
すると、 小さな(ちいさな) あきち に、
まるい どひょう を つくって、
やせた ねずみ と ふとった ねずみ が
すもう を とって いました。
「ほほう、 これ は おもしろい。」
おじいさん は、 木 の かげ に かくれて、
ぐっと め を こらしました。
やせた ねすみ は、 おじいさん の
いえ の ねずみ です。
ふとった ねずみ は、 村(むら) の
ちょうじゃ の いえ の ねずみ です。
「おら とこ の ねずみ や。 それっ、
がんばれ。 がんばれ。」
おじいさん は、 いっしょうけんめい
おうえん を しました。
けれども、 おじいさん の いえ の ねずみ は、
力(ちから) が よわくて、 どうにも なりません。
なんど やって も、 スポン スッポン と、
なげとばされて しまいます。
おじいさん は、 じぶん の いえ の やせた
ねずみ が かわいそうに なりました。
いえ に かえって くる と、 おじいさん は おばあさん に
ねずみ の はなし を しました。
「かわいそうで な。 わし は、 なみだ が でた わ。 いくら
かかって いって も、 スポン スッポン なげられて、
どろ だらけ に なって な。 力 が でる ように
して やり たい が、 うち は びんぼう で
おいしい たべもの など ない し な。」
おじいさん は、 ふうっ と いき を
はきました。
すると おばあさん が、
「それでは、 おもち を ついて、 だべさせて やりましょう。」
と、 いいました。
そこで ふたり は、 お正月(おしょうがつ) の ため に だいじに
しまって ある おこめ を たいて、 おもち を
つきました。
「さあ、 ここ に おいて
おく よ。 たくさん たべて な、
力 を つける ん だ よ。」
おじいさん と おばあさん は、
おもち を だんご に まるめて、
ねずみ が よく かお を だす
たな の 上 に おきました。
つぎ の 日 の あさ、 おもち は ぜんぶ なくなって いました。
「よし、 よし。 これで、 うんと 力 が ついた だろう。」
おじいさん は よろこび ながら、 また 山 へ でかけて
いきました。 そして、 しば を かって いる と、
「デンカショッ、 デンカショッ。」
きのう と おなじ ように、 ねずみ たち の
かけごえ が きこえて きました。
「おう、 おう。 やっとる。 やっとる。」
おじいさん は、 にこにこ 林(はやし) の
なか へ はいって いきました。
「ヨイトサノ ヤーエ。」
ちょうじゃ の いえ の
ふとった ねずみ が、 あし を
あげて、 しこ を ふみました。
「ヨイトサノ ヤーエ。」
おじいさん の いえ の
ねずみ も、 まけ ず に 力 いっぱい
しこ を ふみました。
「はっきょい、 のこった。」
二 ひき の ねずみ は、 がっちり くみあいました が、
すぐに スポン。 ちょうじゃ の いえ の ねずみ が、
なげとばされて しまいました。
「よし。 もう いっちょう だ!」
なんど やって も、 おなじ です。
なげとばされる の は、 ふとった
ちょうじゃ の いえ の ねずみ です。
「おかしい な。 おめえ、 どうして きゅうに
つよく なった ん だ?」
ちょうじゃ の いえ の ねずみ が、 くび を
かしげ ながら いいました。
「おらぁ、 ゆんべ うんと もち くった から、 つよく なった ん じゃ。」
おじいさん の いえ の ねずみ は、 もりあがった うで を
じまん そうに みせ ながら、 いいました。
「いい なあ。 おら とこ の いえ は、 かねもち でも
けちんぼ で、 もち なんか つか ぬ。 こんや おめえ の
いえ いく から よ。 おら に も もち くわせて くれ ろ。」
ちょうじゃ の いえ の ねずみ が、 いいました。
「おら の いえ は びんぼう だ から、 おまえ が
たくさん おかね を もって きたら な。」
「もって いく。 もって いく。 おかね なら、
いくら でも ある からーー」
「そん だら、 ぜんぶ おこめ を
たいて、 二 ひき に いっぱい
もち を たべさせて やりましょう。
お正月 は まだ
さき の こと。 どうにか
なりますよ。」
そこで また おもち を
ついて、 たな の 上 に おきました。
やさしい おばあさん は、
二 ひき の ねずみ の ため に、
赤い(あかい) ふんどし を 二 本(にほん)
つくって、 おもち の わき に
おきました。
あさ おきる と、 おもち も ふんどし も、 なくなって いました。
「ばあさん や、 ゆんべ は ちょうじゃどん の いえ の ねずみ が、
きた ようじゃ な。
さて、 きょう は どっち が かつ かな。 たのしみ じゃ。」
おじいさん は、 わくわく し ながら、 山 へ
でかけよう と しました。
すると、 いえ の すみ に、
小ばん(こばん) が 三 まい おいて ありました。
「ばあさん や、 ばあさん や。 ちょうじゃ どん の
いえ の ねずみ は、 ほんと に おたから を もって
きた よ。」
おじいさん は びっくりして、 おばあさん を よびました。
おじいさん は、 おばあさん を つれて、
山 へ でかけて いきました。
ふたり で しば を かって いる と、
「デンカショッ、 デンカショッ。」
いつも より、 げんき な こえ が
きこえて きました。

「それ、 それ、 はじまった。 はじまった。
さあ、 み に いこうーー」
おじいさん は、 おばあさん の 手 を ひいて、
林 の なか へ はいって いきました。
赤い ふんどし を しめた かわいらしい ねずみ が 二 ひき、
くんだり はなれたり して、 すもう を とって います。
けれども、 どちらも つよく て、 なんど
とって も、 しょうぶ は つきません。

おじいさん と おばあさん は、
たのし そうに ゆうがた まで ねずみ の
すもう を みて いました。
それ から と いう もの、 おじいさん と
おばあさん は、 ちょうじゃ の いえ の ねずみ が
もって きた お金 で、 いつまでも しあわせに くらしました と さ。
ーー「ねずみ の すもう」 の おはなし、 これ で おしまい。

Recordings

  • ねずみ の すもう ( recorded by ryujiro ), native Japanese

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    むかし ある ところ に、 とても こころ の やさしい
    おじいさん と、 おばあさん が いました。
    ある 日 の こと です。
    「ばあさん や、 ちょっくら 山 へ いって、
    しば を かって くる よ。」
    おじいさん は そう いって、 いえ の
    うら に ある 山 へ、 でかけて
    いきました。
    おじいさん が しば を かって いる と、
    「デンガショツ、 デンガショツ。」
    むこう の 林(はやし) の なか から、 おかしな
    こえ が きこえて きました。
    「はて? なん じゃろう。 みょうな
    こえ じゃ な。」
    おじいさん は ふしぎに おもい ながら、
    そっと しげみ を わけて、 林 の なか へ
    はいって いきました。
    すると、 小さな(ちいさな) あきち に、
    まるい どひょう を つくって、
    やせた ねずみ と ふとった ねずみ が
    すもう を とって いました。
    「ほほう、 これ は おもしろい。」
    おじいさん は、 木 の かげ に かくれて、
    ぐっと め を こらしました。
    やせた ねすみ は、 おじいさん の
    いえ の ねずみ です。
    ふとった ねずみ は、 村(むら) の
    ちょうじゃ の いえ の ねずみ です。
    「おら とこ の ねずみ や。 それっ、
    がんばれ。 がんばれ。」
    おじいさん は、 いっしょうけんめい
    おうえん を しました。
    けれども、 おじいさん の いえ の ねずみ は、
    力(ちから) が よわくて、 どうにも なりません。
    なんど やって も、 スポン スッポン と、
    なげとばされて しまいます。
    おじいさん は、 じぶん の いえ の やせた
    ねずみ が かわいそうに なりました。
    いえ に かえって くる と、 おじいさん は おばあさん に
    ねずみ の はなし を しました。
    「かわいそうで な。 わし は、 なみだ が でた わ。 いくら
    かかって いって も、 スポン スッポン なげられて、
    どろ だらけ に なって な。 力 が でる ように
    して やり たい が、 うち は びんぼう で
    おいしい たべもの など ない し な。」
    おじいさん は、 ふうっ と いき を
    はきました。
    すると おばあさん が、
    「それでは、 おもち を ついて、 だべさせて やりましょう。」
    と、 いいました。
    そこで ふたり は、 お正月(おしょうがつ) の ため に だいじに
    しまって ある おこめ を たいて、 おもち を
    つきました。
    「さあ、 ここ に おいて
    おく よ。 たくさん たべて な、
    力 を つける ん だ よ。」
    おじいさん と おばあさん は、
    おもち を だんご に まるめて、
    ねずみ が よく かお を だす
    たな の 上 に おきました。
    つぎ の 日 の あさ、 おもち は ぜんぶ なくなって いました。
    「よし、 よし。 これで、 うんと 力 が ついた だろう。」
    おじいさん は よろこび ながら、 また 山 へ でかけて
    いきました。 そして、 しば を かって いる と、
    「デンカショッ、 デンカショッ。」
    きのう と おなじ ように、 ねずみ たち の
    かけごえ が きこえて きました。
    「おう、 おう。 やっとる。 やっとる。」
    おじいさん は、 にこにこ 林(はやし) の
    なか へ はいって いきました。
    「ヨイトサノ ヤーエ。」
    ちょうじゃ の いえ の
    ふとった ねずみ が、 あし を
    あげて、 しこ を ふみました。
    「ヨイトサノ ヤーエ。」
    おじいさん の いえ の
    ねずみ も、 まけ ず に 力 いっぱい
    しこ を ふみました。
    「はっきょい、 のこった。」
    二 ひき の ねずみ は、 がっちり くみあいました が、
    すぐに スポン。 ちょうじゃ の いえ の ねずみ が、
    なげとばされて しまいました。
    「よし。 もう いっちょう だ!」
    なんど やって も、 おなじ です。
    なげとばされる の は、 ふとった
    ちょうじゃ の いえ の ねずみ です。
    「おかしい な。 おめえ、 どうして きゅうに
    つよく なった ん だ?」
    ちょうじゃ の いえ の ねずみ が、 くび を
    かしげ ながら いいました。
    「おらぁ、 ゆんべ うんと もち くった から、 つよく なった ん じゃ。」
    おじいさん の いえ の ねずみ は、 もりあがった うで を
    じまん そうに みせ ながら、 いいました。
    「いい なあ。 おら とこ の いえ は、 かねもち でも
    けちんぼ で、 もち なんか つか ぬ。 こんや おめえ の
    いえ いく から よ。 おら に も もち くわせて くれ ろ。」
    ちょうじゃ の いえ の ねずみ が、 いいました。
    「おら の いえ は びんぼう だ から、 おまえ が
    たくさん おかね を もって きたら な。」
    「もって いく。 もって いく。 おかね なら、
    いくら でも ある からーー」
    「そん だら、 ぜんぶ おこめ を
    たいて、 二 ひき に いっぱい
    もち を たべさせて やりましょう。
    お正月 は まだ
    さき の こと。 どうにか
    なりますよ。」
    そこで また おもち を
    ついて、 たな の 上 に おきました。
    やさしい おばあさん は、
    二 ひき の ねずみ の ため に、
    赤い(あかい) ふんどし を 二 本(にほん)
    つくって、 おもち の わき に
    おきました。
    あさ おきる と、 おもち も ふんどし も、 なくなって いました。
    「ばあさん や、 ゆんべ は ちょうじゃどん の いえ の ねずみ が、
    きた ようじゃ な。
    さて、 きょう は どっち が かつ かな。 たのしみ じゃ。」
    おじいさん は、 わくわく し ながら、 山 へ
    でかけよう と しました。
    すると、 いえ の すみ に、
    小ばん(こばん) が 三 まい おいて ありました。
    「ばあさん や、 ばあさん や。 ちょうじゃ どん の
    いえ の ねずみ は、 ほんと に おたから を もって
    きた よ。」
    おじいさん は びっくりして、 おばあさん を よびました。
    おじいさん は、 おばあさん を つれて、
    山 へ でかけて いきました。
    ふたり で しば を かって いる と、
    「デンカショッ、 デンカショッ。」
    いつも より、 げんき な こえ が
    きこえて きました。

    「それ、 それ、 はじまった。 はじまった。
    さあ、 み に いこうーー」
    おじいさん は、 おばあさん の 手 を ひいて、
    林 の なか へ はいって いきました。
    赤い ふんどし を しめた かわいらしい ねずみ が 二 ひき、
    くんだり はなれたり して、 すもう を とって います。
    けれども、 どちらも つよく て、 なんど
    とって も、 しょうぶ は つきません。

    おじいさん と おばあさん は、
    たのし そうに ゆうがた まで ねずみ の
    すもう を みて いました。
    それ から と いう もの、 おじいさん と
    おばあさん は、 ちょうじゃ の いえ の ねずみ が
    もって きた お金 で、 いつまでも しあわせに くらしました と さ。
    ーー「ねずみ の すもう」 の おはなし、 これ で おしまい。

    むかし、むかし、ある山奥におじいさんとおばあさんが住んでいました。
    とても貧しかったので、二人は、めったに町に買い物に行くこともありませんでしたし、お風呂に入ることも月に一回でした。
    おじいさんは小さな畑で働き、おばあさんは家で針仕事をしていました。
    ある日、おじいさんが焚き木を集めに山に行くと、何か聞きなれない音がするので、木の陰からのぞいて見ると、二匹のねずみが相撲の稽古をしているではありませんか。
    小さなねずみは、いつも大きなねずみに土俵の外に投げ出されていました。小さなねずみをよく見てみると、何と、それはおじいさんの家に住んでいるねずみでした。
    家に帰ると、おじいさんは見たことをおばあさんに話すと、
    「まあ、ねずみが相撲をしてたんかい。」とおばあさん。
    「おばあさん、大きいねずみは長者さんちので、小さいねずみはうちのじゃ。」
    「おじいさん、小さいねずみがかわいそうじゃの。餅をこしらえて食べさせましょう。」
    「それがいい。」
    おばあさんは、正月用のもち米を洗って、蒸して、臼の中に入れ、おじいさんが、木ねでもちをつき、おばあさんがもちを手ですばやくひっくり返しました。
    それがすむと、おばあさんはもちを手ごろな大きさに千切り、おぼんに並べて、棚にのせました。
    「さあ、小ねずみ。好きなだけもちを食べて、大ねずみを負かしておくれ。」とおばあさん。
    その晩、さっそく小ねずみは棚のもちを見つけ食べました。
    「うまいな。こんなにおいしいもの食べたことないな。」と小ねずみは言うと、次から次へと食べて、とうとう全部食べてしまいました。
    次の日、おじいさんは、ねずみの相撲を見に山に出かけました。
    一回戦、大ねずみ、「押し出し」の勝ち。
    二回戦、小ねずみ、「投げ落し」の勝ち。
    三回戦、大ねずみ、「つり出し」の勝ち。
    四回戦、小ねずみ、「押し出し」の勝ち。
    おじいさんは、とても満足そうでした。
    ねずみは、何回も稽古して疲れて、木の下に座り込みました。
    「小ねずみ君、たった一日で、どうやってそんなに強くなったんだい。」と大ねずみ。
    「おじいさんとおばあさんがこしらえてくれたもちを食べたんだ。」と小ねずみ。
    「僕も、そのもちを食べないなあ。君の家に行っていいかい。」
    「うちは、とても貧乏なんだ。お金を持ってきたら、食べられるよ。」
    おばあさんは、おじいさんが帰って来ると、さっそくたずねました。
    「今日のすもうはどうでした。」
    「いい取り組みだったよ。小ねずみはと大ねずみと互角に戦った。」
    「こしらえたもちが役にたってよかったの。」
    「ところで、大ねずみもおばあさんのもちが食べたいそうじゃ。今日ももちをこしらえてくれないかの。」
    「お正月にもちが食べられなくなるけれど、いいですよね。」
    その晩、大ねずみが大きな袋を担いでやってきました。
    「これが、おじいさんとおばあさんがこしらえたもちなんだ。さあ、食べて。」
    「実にうまい。こんなおいしいもち初めてだ。」
    大ねずみと小ねずみは、お腹一杯になるまで食べました。
    おばあさんは、二匹のねずみに相撲の赤いまわしも作っておきました。
    朝になると、棚の上にお金が一杯入った袋がのっていました。
    おじいさんとおばあさんは、幸せな新年を迎え、町に買い物に出かけ、毎日お風呂に入りました。

    This is another version, but recored by a professional.

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