1.)自己紹介
こんにちは。私はヨーテボリ大学のサラ・スティーブンスと申します。2年前札幌と大阪に留学していました。
2.)理由
今日はジェンダー差別と平等における様々な側面について話したいと思います。このテーマを選んだ理由は、私の日本におけるジェンダー差別に対する考え方が留学を通して、変化したからです。私は日本に留学する前に、日本のジェンダー差別について考えましたが、その時に、ネガティブなステレオタイプを持ちました。けれども、徐々に私の考え方は変化してきました。なぜなら日本の男女の役割というものは、悪いことだけではないと、日本人の友人に聞いた結果、分かったからです。この役割というものは「文化や社会生活」とより密接な関係を持ち、スウェーデンにおける男女の役割とは異なるのです。
3.)日本の男女の役割
日本では子供の頃から男女に区別があります。子供のおもちゃや服の色、育て方はスウェーデンに比べて、より男性向け・女性向けで分かれています。話し言葉にも区別があります。男の人がより男性的で強い言葉を使うのに対して、女の人は女性的で優しい言葉を選ぶ傾向があります。
実際、私が日本語勉強している教科書は何度も「男性的な言葉」と「女性的な言葉」でそれぞれ区別していました。日本に来て分かったことは、この性別で違う言葉を話すことは、私が思っていた以上に大切だったということです。しかし、私は、男性の友人と話すときに女性的な言葉を習うことに苦労しました。
そして、特に有名な日本の男女の役割は家族についてです。日本の家族は、父親が働いて母親が専業主婦というケースが多いです。日本の社会人の男性は会社や社会からの責任と期待によって働く時間が長くなり、女性は家庭で家事をする傾向があります。そのため、男性よりも女性が育児休暇を取り、そしてその後女性は会社に戻ることが難しくなります。このように日本の男女の役割は男性と女性で大きく異なります。
4.)スウェーデンの男女の役割
日本の方がはっきり見えますが、スウェーデンでも男女の役割があります。ただ家族に関して、その役割は、社会福祉のおかげで、両親が二人とも働くことができ、そして育児休暇を男女両方がとることが出来るのです。しかし、最近では、男女の役割に反対し、よりジェンダーフリーな考えを主張する人が多くなってきました
この新しいジェンダーフリーの考えは、子供の出産とその後に見ることができます。子供を授かった両親は生まれる前に、子供の性別を知ることを望まない場合が増えてきました。この理由は、その子が男の子か女の子かという期待を小さいころから背負わないためです。
このようにスウェーデンでは、より男女平等でジェンダーフリーな考え方が一般的になってきました。
5.)皓太の話
一般的に、この日本の男女の役割は、日本女性を差別していると思われがちですが、実際にはそうではないかもしれません。私はスウェーデンで日本女性のジェンダー差別について日本人の友人と話し合ったときに面白い話を聞きました。彼が知っている女性は、子供が出来るときに仕事を辞めるつもりで、もともと仕事を探していました。さらに彼の家族は、父親が働いて、母親が専業主婦です。世間では、日本の女性は男女差別によって平等ではないと非難されていますが、彼の母親は専業主婦で自分は幸せだと言っています。彼女の友人も専業主婦ですので、寂しくないのです。このように、彼の友人と母親は両方、主婦として家族の時間を大切にしているのです。
6.)選択できる権利
この話を聞いて思ったことは、スウェーデンの男女平等主義で本当に皆が幸せになっているかということです。
日本では、主婦であることと働くことの世間的なイメージに違いはありませんが、スウェーデンの社会では、女の人が主婦をすることは、良くは思われません。なぜなら、主婦になることによって、女性が自分の地位を捨てることが理解されないからです。スウェーデンでは昔から女性は男女平等のために戦ってきたので、簡単にその権利を捨てるべきではないと考えられているのです。
また、両親が両方働いていることは、本当に小さい子供にとって幸せなのでしょうか?スウェーデンでは両親が一日中働いて、子供が保育所にいる場合が増えてきました。そして、その保育所にいる時間は両親と過ごす時間より長いのです。実際、私の母は何年間か平均より長い育児休暇をとっていました。そして私とお姉さんは、今となってはそのことに感謝しています。
西欧では、相手の文化や社会などの背景を考えずに、自分たちがやることがいつも正しいという考え方をよく持ちます。ただ日本人の友人の話を通して気づいたことは、日本人の女性は差別されているのではなく、幸せであるということです。そしてスウェーデンの男女平等主義にも色々な疑問を持ちました。一番大切なのは自由に選択できる権利だと思います。日本もスウェーデンも男女平等のためにもっと出来ることがあるのではないでしょうか?
どうも、ご静聴ありがとうございました