青函トンネル
総工費6900億円、工期24年。
かつてない規模で建てられた歴史的建造物。
貫通から昨年までのおよそ25年間、世界1の長さを誇っていました。
昭和20年代、当時の気象予報は、現在のものほど正確ではありませんでした。
台風の動きが予想できず、誤った判断による船の遭難事故が多発。
そこで戦前からあった本州と、北海道をトンネルで結ぶという計画が、一気に具体化し、船舶輸送の代替手段として建設されることとなったのです。
その規模は、青森県浜田から、北海道湯の里を結ぶ、全長およそ53.85km、海底部は23.3km、もっとも深いところでは海面下240mと気の遠くなるような大規模工事でした。
動員された作業員は延べ1400万人、東京の人口を超える驚異的な数でした。
昭和39年、着工。陸のトンネルと違い、現場は海の底。掘削作業の前に浸水を防ぐため、掘り進めるトンネルに先行し、鉄製のホースでセメントを注入するという補強工事が繰り返し行われました。
しかし、海底での掘削作業は想像を絶するものでした。
昭和49年、毎分10tという異常出水により、掘り進めていたトンネルのうち130mもが機械もろとも水没。職人たちの前に立ちはだかった、自然の猛威。殉職者は34名。
この掘削作業は実に24年にも及んだのです。
そして。最長のトンネルはついに完成。青函連絡船は廃止され、現在は、北海道新幹線の開業へと、新たに動き出しています。
それでは、青函トンネル総集編本州側工事の記録ご覧ください。
青函トンネル
総工費6900億円、工期24年。
かつてない規模で建てられた歴史的建造物。
貫通から昨年までのおよそ25年間、世界1の長さを誇っていました。
昭和20年代、当時の気象予報は、現在のものほど正確ではありませんでした。
台風の動きが予想できず、誤った判断による船の遭難事故が多発。
そこで戦前からあった本州と、北海道をトンネルで結ぶという計画が、一気に具体化し、船舶輸送の代替手段として建設されることとなったのです。
その規模は、青森県浜田から、北海道湯の里を結ぶ、全長およそ53.85km、海底部は23.3km、もっとも深いところでは海面下240mと気の遠くなるような大規模工事でした。
動員された作業員は延べ1400万人、東京の人口を超える驚異的な数でした。
昭和39年、着工。陸のトンネルと違い、現場は海の底。掘削作業の前に浸水を防ぐため、掘り進めるトンネルに先行し、鉄製のホースでセメントを注入するという補強工事が繰り返し行われました。
しかし、海底での掘削作業は想像を絶するものでした。
昭和49年、毎分10tという異常出水により、掘り進めていたトンネルのうち130mもが機械もろとも水没。職人たちの前に立ちはだかった、自然の猛威。殉職者は34名。
この掘削作業は実に24年にも及んだのです。
そして。最長のトンネルはついに完成。青函連絡船は廃止され、現在は、北海道新幹線の開業へと、新たに動き出しています。
それでは、青函トンネル総集編本州側工事の記録ご覧ください。
それでは、青函トンネル総集編本州側工事の記録ご覧ください。
青森県の浜名と、北海道の湯の里を結ぶ青函トンネルは全長53キロ850m、海底部の長さ23キロ300m。最も深いところで津軽海峡海面下240m。世界で1番長いトンネルである。
青森県津軽半島の最北端竜飛崎、冬の体感温度が-20°にもなるというこの地で、鹿島、熊谷、鉄建建設青函隧道工事共同企業体は昭和47年6月、日本鉄道建設公団から工事を引き継ぎ、本州側の作業抗と本抗の掘削を開始した。
これから、工事は3交代、休むことなく続けられてゆく。
津軽海峡の海底下を掘り進める青函トンネルは、いきなり列車を通す本抗を掘り進めているわけではない。
まず公団の直轄工事によって、地質調査のための先進道抗が掘り進められ、続いて、その上に作業員や機材、コンクリートの搬入、ずりの搬出のための作業抗をほり、そのあとから30m脇に本抗を掘っていく。
本坑を掘るために2本のトンネルを先に掘り進めるのである。
ここは作業坑の脇に設けられたボーリング座、今公団の手で先進ボーリングが行われている。
作業抗前方の地質の状態や湧水の程度、その位置が探られて行く。
海中に分布する地質はおよそ1000万年から2000万年前の火山岩および堆積岩類、そこにいくつかの断層があることも確認されている。
しかし、実際にトンネルを掘り進めるには、もっと精密に地質と湧水を把握する必要がある。
そこでコアを採取し作業抗前方の情報をつかみ取ると、直ちに結果の分析に取り掛かる。
自然を克服するのではなく、自然をよく観察し、理解しながら掘り進める。
そのための試験分析がさまざまな角度から進められていく。
これらのデータからトンネル前方の詳細な先方地質予想図が作られる。
こうして公団によって作成された先方地質予想図をもとに企業体は作業抗、本抗の掘削計画を具体的に検討して行くのである。
作業抗の掘削現場。陸のトンネルと違い、現場は海の底。だから、掘削する前に水を完全に留めておかなければならない。
そのため、薬液を岩盤に注入して水を止める作業が繰り返し行われる。
注入する薬液は水ガラスとセメントミルクの混合液。
それを60キロから70キロというものすごい圧力で、岩盤の割れ目や柔らかい部分に注入し、トンネル半径の3倍から4倍の範囲の岩盤を固めていく。