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過労死
仕事上の過労やストレスが極度に達して起る死亡。
突然死と呼ばれるケースもある。クモ膜下出血や心筋梗塞など脳血管疾患,虚血性心臓疾患によることが多い。
過労が引き金となっての死亡は必ずしも近年のことではないが,生理的限界をこえた日本の長時間・過密労働と密接に関連するものとして問題となり,1982年に社会医学的に「過労死」と命名され,88年弁護士による「過労死 110番全国ネット」という電話相談の開設以来,社会的用語として定着した。
国際的にも KAROSHI,または Death From Overworkとして知られ,91年には国連人権小委員会で論議されるにいたった。
労働者災害補償保険法 (民間一般。船員は船員保険法,公務員は国家公務員災害補償法及び地方公務員災害補償法) は,業務上の死亡に対して補償を定めているが,90年の過労死の労災申請 597件に対し,認定は 33件にとどまっている。
「業務上」の認定には「日常業務に比較して特に過重な業務」に「発症前1週間以内」を限度として従事していることなどのきびしい基準を設けており,過労死が業務上に起因するか否かをめぐって裁判上の係争事項になっているケースも多い。
過労死弁護団全国連絡会議の「過労死 110番」は各都道府県に設けられ,厚生労働省系の財団法人労災年金福祉協会が相談窓口を常設している。