ホテル藤原郷…3階建の巨大廃ホテルとして知られるが、実際には地下に温泉施設があり4階建となっている。昭和34年に藤原ダムの竣工に合わせて創業し、バブル期には落人料理「ざるめし」を看板に繁栄を極めた。しかし、2004年にこの一帯の温泉偽装問題が発覚、ホテル藤原郷が温泉水を使っていないことが発覚し売上が激減。2007年、負債総額1億2000万円で事業停止となった。
「人が集まる場所は霊が集まりやすい」といわれ、ホテル藤原郷は浮遊霊の巣窟としてテレビ番組で紹介された経緯がある。ホテル内は荒らされているものの、多くの残留物が放置されており、机や椅子、布団、調理器具など、夜逃げしたかのごとくそのままになっている。また、管理人室と思われる部屋には家族写真や仏壇なども放置されており、理由は定かではないが、よほどのことがあったのではないかと想像できる。
なお、多くの客室が「そのまま」になっているが、部屋によってはひどく腐敗している場所もある。異様な空気感とその不気味さからか、心霊写真が撮れる部屋として有名だ。それはまさに、人間に霊が集まっているのではなく、霊が集まっている場所に人間が入り込んで行ったと言っても過言ではない。異様なまでに残っている数々の残留物…家族写真さえ残して消えた管理人…腐敗した部屋…かつて繁栄を極めたホテル藤原郷、その面影は今は全く無い。