大阪市に本店がある池田泉州銀行は、銀行員が顧客に投資信託を購入するなどとうそを言って預金を不正に引き出し、およそ12年間で2億円余りを着服していたことを明らかにしました。
これは、池田泉州銀行の鵜川淳頭取が記者会見で明らかにしました。
それによりますと、大阪府内にある3つの店舗で営業を担当していた38歳の男性の銀行員が、ことし7月までのおよそ12年間で合わせて2億2600万円を着服していたということです。
手口は顧客に「投資信託を購入する」とうそを言って伝票を書かせ、預金を不正に引き出していたということです。
被害にあった顧客は合わせて10人、いずれも50歳代以上で、最も被害額が大きい80歳代の女性は、7300万円をだまし取られたということです。
銀行員は、だまし取った金をギャンブルなどに使っていたことを認めており、銀行では、銀行員を10日付けで懲戒解雇するとともに、被害者には、銀行が全額を返済すると説明しています。
鵜川頭取は記者会見で「顧客との親密な関係を逆手に取った行為で、コンプライアンスの対応が形式的になっていた。営業担当が扱う現金を制限するなど、速やかに再発防止策を講じたい」と述べ、謝罪しました。