natural spees, please.
小学校高学年から中学生にかけての佐藤生少年は、学校での授業に意味を見出せないでいた。いわゆる不登校児であった。しかし、そんな彼を母親は温かく見守ってくれた。通学を決して強要せず、映画館、美術館、博物館、動物園を巡るのにいつも付き合ってくれた。中学生になると、今度は学校近くの山や川で自然と戯れるようになった。
中学3年の時だった。授業を聴く気もなく、教室の片隅で漫画を読みふけっていたのに、ふと気付くと、教師がフランス革命の話をしているのが耳に入ってきた。フランス革命の進行過程が、まるでゲームかドラマを見ているかのように生き生きと感じられ、初めて授業を面白いと思った。教師に質問をし、授業に参加している自分がいた。学習モードのスイッチが入った瞬間だった。