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Lais
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source: http://www.epochtimes.jp/jp/2012/03/html/d55245.html

【大紀元日本3月6日】中国に古くから伝わる、赤い糸の伝説をご存知ですか?結婚する男女間が生まれた時から赤い糸で結ばれているという伝説で、中国では「紅線」と呼ばれています。中国唐代の赤い糸の物語をご紹介しましょう。

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 中国の唐王朝の初め頃、杜陵にウェイ・グ(韋固)という男が住んでいました。彼は幼い頃に孤児として育ったので、成長したら、できるだけ早く結婚し、家庭を築きたいと思っていました。彼は人を介して懸命に結婚相手を探しましたが、縁談はまとまりませんでした。

  元和二年、彼は宋城市の南の清河区を訪れ、そこに宿をとりました。宿にいた客は、ウェイに、同じ町に住むシマという娘に求婚することを勧めました。ウェイは喜び、娘を知る友人と興寺の入り口で会う約束をしました。

 ウェイは、自分の結婚に対する誠実さを示すために、夜が明ける前に興寺に到着しました。すると、老人が寺院の階段に座り、本をめくっています。ウェイは目を凝らして本のタイトルを探ってみましたが、その文字の意味は分かりませんでした。

 ウェイは、老人に尋ねました。「あなたが今お調べしている本は何でしょうか?私は小さい頃から学業に専念し、分からない文字はほとんどありません。サンスクリット語も読めますが、あなたが手にしている本の文字には記憶がありません。一体、なんの本でしょうか」。

 老人は微笑みながら答えました。「これは、冥界の書だ。この世には無いもので、もちろん、あなたは見た事がないだろう。私はここに、冥府の仕事をしに来たのだ。世間は陰と陽に区切られており、私はあなたに会うべきではなかったが、あなたが夜明け前に来たので、会ってしまったのだ」

 ウェイが老人の仕事は何かと聞くと、老人は、「私はこの世の婚姻を担当している」と答えた。それを聞いたウェイは、ここぞとばかりに老人に尋ねました。「私は小さい頃、孤児だったので、早く結婚して家庭を持ちたいのです。これまでに何人もの女性に結婚を申し込んだのですが、縁談はまとまりませんでした。今日、私は宋城に住むシマという娘との縁談のため、友人とここで待ち合わせをしています。私はこの女性と結婚できますか?」

 老人は、首を振りました。「いや、できんな。もしある女性があなたと結婚する運命になければ、たとえ女性の身分が低く、あなたが自分の身分を落としたとしても、結婚することはできない。あなたの妻となる女性は、3歳の誕生日を迎えたばかりだ。彼女は17歳になってからあなたと結婚するだろう」

 ウェイは、老人が持っている袋について尋ねました。すると老人は、「赤い紐が入っている。私は、この世で妻となる者と夫となる者の足を結びつけている。人は生まれた時、すでに結婚相手が決まっているのだ。二人が敵同士であるとか、一方が金持ちで、片方が貧しいとか、双方が遠く離れて暮らしているなどは全く関係ない。もしこの赤い紐が二人を結び付けたなら、その運命に逆らうことはできない。あなたの足は、すでにある女性と赤い糸で繋がれており、早く結婚したいという熱意があっても、それを変更することはできない」

 ウェイは、自分の妻になる人はどこにいて、その家族は何をしているのかと老人に尋ねました。「あなたの妻になる人の母親の姓は、『陳』だ。宿屋の北にある市場で野菜を売っている」。彼は、その彼女を見る事が出来るかと尋ねた。 「陳は、しばしば市場に娘とやって来る。私について来なさい、あなたにその少女を教えてあげよう」 と、老人は言いました。

 ウェイの友人は、その日とうとう現れませんでした。そこでウェイは、老人について市場へ行くことにしました。すると、盲目の老婆と、三歳の少女が、こちらに向かって歩いてきます。少女の服はぼろぼろで、醜く見えました。ウェイは、怒りが込み上げてきました。「彼女を殺してもいいでしょうか?」すると老人は、「その少女には、あなたと裕福に暮らす未来がある。殺してはいけない」と言って、姿を消してしまいました。

 ウェイは、憤慨しました。「あの老いぼれの言う事など、ばかげている。私は立派な家庭で、きちんと教育を受けて育てられたのだから、私と結婚する女性もそれ相応であるべきだ。たとえ自分が結婚しなかったとしても、交際する女性は美しくなければならない。なぜこの私が、盲目の女の醜い娘と結婚しなければならないのか」。ウェイはナイフを削って、彼の使用人にそれを渡しました。「もしお前が少女を殺すことができたら、たくさんの謝礼をやろう」翌日、ウェイの使用人は袖にナイフを忍ばせ、少女を殺すために市場へ行きました。

 使用人は少女を殺そうとしましたが、群衆が騒いだため、慌てて逃げ帰りました。「申し訳ありません、少女の心臓を狙いましたが、誤って彼女の眉間を刺してしまいました」。 その後、ウェイは多くの女性に求婚しましたが、結婚は実現しませんでした。

 14年後、ウェイは香洲の検察長である宏泰の下で働いていました。宏泰はウェイの優れた能力に感心し、彼の17歳になる娘と結婚するようウェイに勧めました。

 宏泰の娘は知的で美しかったのですが、いつも眉間に花を付けていました。彼女は風呂に入る時も、一人でいる時も、常にその花を身につけていました。

 ウェイは結婚後しばらくして、突然、以前市場で暗殺を企てた事を思い出し、眉間の花のことを妻に尋ねました。妻は泣きながら語り始めました。「私が赤ん坊の頃、宋城市の裁判官だった父が亡くなり、母も兄もその後しばらくして亡くなりました。その後は乳母の陳が、市場で野菜を売りながら私の面倒を見てくれました。ある日、私は3歳の頃、急に暴漢に襲われ、眉間を刃物で刺されました。その時の傷跡が残ったので、それを隠すために花をいつも身につけています。7年程前、検察長の宏泰は、私を養子にしてくれました」

 ウェイはそれを聞くと、妻に暗殺を命じたのは自分だったこと、そして、なぜそうしてしまったのかをすべて告白しました。すべてを理解した二人は、よりお互いを尊重しあうようになりました。その後、二人には息子が生まれ、名前を訓と名付けました。訓は成長すると、雁門県の県長になりました。ウェイの妻は、太原の貴婦人として尊敬され、ウェイ夫妻の物語を知った宋城市の長官は、ウェイが滞在した宿を「定婚店」と名づけました。

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 ウェイは最初、老人から言われた彼の運命を受け入れようとしませんでした。彼女の妻となる人が、醜い少女から美しく品格のある女性に成長することを知らなかったからです。彼は妻の身分や器量に執着し、追及しましたが、妻の美しい顔に傷跡を残した以外、何も変えられませんでした。

 結婚する相手は、すでに運命によって決められています。それは個人が前世から積んだ徳と業によって定められており、それを変えることはできないのです。

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