お正月はみんなが待ち焦がれる最も大事な祝日。宗教、政治、地理的要因に因らず、世界中で等しく祝われる唯一の日でもあり、経済危機といえども祝祭ムードの妨げにはならない。
祝われ方や元日の日付は国によって異なる。古代ルーシ(ロシアの前身)では15世紀までユリウス暦の3月1日が新しい年の始まりとされてきたが、15世紀以降は9月1日を年の始まりとするようになった。1700年からはピョートル大帝の勅令によって、ヨーロッパ諸国と同様の1月1日に祝うよう改正されている。
ロシア人は新年の祝いをこよなく愛す。窓越しに舞う雪を見つめながら一番親しい者たちと共に年越しの瞬間を迎え、花火をあげたり、ジェッド・マローズ(ロシアのサンタクロース)や雪娘の人形を飾り、もみの木の下で贈り物を交し合う習慣がある。
革命前まで使われていた旧暦の1月1日は現在の暦で1月14日にあたる。旧正月は今も健在で、12月31日に大晦日を迎えられなかった人はこの日に新年を祝う。とはいえ、1日の元日も旧正月の14日も両方祝うというのが、お祭り好きのロシア人には好まれる。楽しい気分を味わうのを逃す理由はない。